ウェブサイトの運営中に、SSL証明書を廃止したり、新しい証明書に移行する必要が生じることがあります。これらのプロセスを適切に行わないと、セキュリティ上のリスクが発生し、ユーザーの信頼を損ねる可能性があります。
この記事では、SSL証明書の廃止と移行を安全かつスムーズに進めるための手順と注意点について解説します。
SSL証明書の廃止が必要な状況
SSL証明書を廃止する必要が生じる理由には、いくつかの状況があります。
- ドメインの廃止
ウェブサイトやドメインが不要になった場合、関連するSSL証明書も廃止する必要があります。 - 証明書の再発行
秘密鍵の漏洩や証明書情報の変更などにより、証明書を再発行する際、古い証明書を廃止します。 - 証明書の有効期限切れ
有効期限が切れた証明書はセキュリティリスクとなるため、速やかに廃止する必要があります。
SSL証明書の廃止手順
SSL証明書を廃止する際には、以下の手順を踏むことで、安全に進めることができます。
- 認証局への通知
証明書を発行した認証局(CA)に連絡し、廃止の手続きを行います。多くの認証局では、オンラインで簡単に廃止を申請できるツールを提供しています。 - サーバーからの削除
廃止した証明書をサーバーから削除し、新しい証明書に置き換えます。これにより、廃止された証明書が誤って使用されるリスクを防ぎます。 - OCSPとCRLの更新
廃止された証明書は、認証局のオンライン証明書状態プロトコル(OCSP)や証明書失効リスト(CRL)に反映され、ユーザーのブラウザが適切に警告を表示するようになります。
新しい証明書への移行手順
新しいSSL証明書への移行は、セキュリティを確保しつつスムーズに行うことが重要です。
- 新しい証明書の取得とインストール
まず、新しいSSL証明書を取得し、ウェブサーバーにインストールします。
インストール後、サーバー設定を更新し、新しい証明書が使用されるようにします。 - HTTPからHTTPSへのリダイレクト設定
新しい証明書を使用するサイトに対して、HTTPからHTTPSへのリダイレクト設定を確認します。
これにより、すべてのトラフィックが新しい証明書を使用した安全な接続に誘導されます。 - ユーザー通知とテスト
証明書の移行が完了したら、ユーザーに通知し、移行が成功したことを確認します。
様々なブラウザやデバイスでテストを行い、問題が発生していないか確認します。
移行時に注意すべきポイント
SSL証明書の移行時には、いくつかの注意点があります。
- ダウンタイムの最小化
移行作業は、サイトの利用が少ない時間帯に行うことで、ユーザーへの影響を最小限に抑えます。 - セキュリティの確認
新しい証明書が正しくインストールされ、すべてのサーバー設定が適切に更新されていることを確認します。 - バックアップの取得
移行前に、すべての証明書と設定のバックアップを取得しておきます。
これにより、問題が発生した場合でも迅速に復旧が可能です。
証明書移行後のメンテナンス
移行が完了した後も、定期的なメンテナンスを行うことで、サイトのセキュリティを維持します。
- 証明書の監視
新しい証明書の有効期限や設定を定期的に監視し、問題が発生していないかチェックします。 - セキュリティの強化
必要に応じて、セキュリティ設定を見直し、最新のセキュリティ標準に従ってサイトを運営します。


