SASE(サシー:Secure Access Service Edge)は、クラウド上にセキュリティとネットワーク機能を統合し、場所を問わずユーザーやデバイスに安全な接続を提供する最新のセキュリティモデルです。
従来のように社内ネットワークの境界で守る考え方から、リモートワークやクラウド利用が当たり前になった今では、ネットワークの「エッジ」で通信を保護することが求められています。
SSL証明書とは?その役割を再確認
SSL証明書は、Webサイトやシステムとの通信を暗号化し、ユーザーとサーバー間のやり取りを安全にするための技術です。ブラウザでは「https://」の表記や鍵マークで表示され、改ざんや盗聴からデータを守ります。
SASEにおいても、SSLは欠かせない基盤技術として活用され、ゼロトラストの前提である「すべての通信は検証されるべきもの」とする考えに一致しています。
SASEとSSL証明書の連携が重要な理由
- ユーザーが社内外問わず安全にアプリケーションへアクセスできる
- クラウドアプリやSaaSとの接続を暗号化できる
- 全トラフィックをSSL/TLSで保護し、インスペクションが可能になる
- 証明書ベースの認証により、信頼できる端末からのアクセスを限定
特に、SSL復号(TLSインスペクション)をSASE側で行うことで、マルウェアや情報漏洩の兆候も監視できます。
SASEにおけるSSL活用構成の基本
- ユーザー認証と通信暗号化の二重対策
リモートワーカーはまずSASEのゲートウェイを経由してから業務システムへアクセス。通信はSSLで暗号化され、端末も証明書で認証。 - インターネットブレイクアウトのセキュア化
直接クラウドへアクセスする場合でも、SASEのポリシーでSSLインスペクションを適用し、危険な通信を検知・遮断。 - 管理者向けアクセス制御
管理ポータルへの接続もSSL+クライアント証明書+MFAの構成でセキュリティ強化。 - 全通信ログと可視化
SSL通信の中身も含めて可視化・ログ化し、コンプライアンス対応にも活用可能。
SSL証明書の種類と選び方
- OV証明書:企業利用におけるSASE構成での基本。コストと信頼のバランスが良好。
- EV証明書:特に厳密な認証が必要な業界(金融・医療など)ではEV証明書が推奨。
- クライアント証明書:端末認証やゼロトラスト構成に欠かせない。
SASE導入時のSSL関連の注意点
- 証明書の有効期限管理(SASEとの連携エラー防止)
- 中間証明書の構成ミスに注意
- TLS1.3対応の確認(より高速かつ安全)
- 自己署名証明書は避け、信頼されたCAから取得
まとめ:SASE×SSLで次世代のセキュリティを実現
SASEは、クラウドとモバイルの時代に最適化されたセキュリティモデルです。そして、SSL証明書はその中核をなす“通信の守り手”です。
これらを組み合わせることで、「誰が、どこから、どのデータに、どのようにアクセスするか」を安全に管理できる柔軟かつ堅牢なセキュリティ体制を構築できます。


















