DevSecOpsは「開発(Dev)」「運用(Ops)」に「セキュリティ(Sec)」を組み込む考え方で、近年多くの企業が採用しています。中でもSSL証明書は、セキュリティ基盤の中核として重要な役割を担います。本記事では、初心者向けにSSL証明書を活用したDevSecOps移行の手順をわかりやすく解説します。
DevSecOpsとは?
- 開発・運用・セキュリティの一体化:従来の後付け型セキュリティではなく、開発初期からセキュリティを組み込む。
- 自動化の重視:CI/CD(継続的インテグレーション・継続的デリバリー)パイプラインにセキュリティチェックを組み込む。
- 文化と責任の共有:全員がセキュリティに責任を持つ文化を育む。
SSL証明書の役割
- 通信の暗号化:アプリ間、サービス間の通信を安全に保つ。
- 認証と信頼性の確保:システム間の信頼関係を構築。
- 完全性の担保:データの改ざん防止。
移行手順
1. 現状の棚卸し
- 既存のアプリケーション、API、管理画面でSSL証明書が適用されているか確認。
- 社内証明書、自己署名証明書の使用状況を洗い出す。
2. CI/CDパイプラインへの統合
- 証明書の取得・更新を自動化(例:Let’s Encrypt+certbot)。
- 自動テスト内で証明書の有効期限チェックを組み込む。
3. コンテナ・マイクロサービス対応
- コンテナ間通信をSSL化。
- サービスメッシュ(例:Istio)のmTLS(双方向TLS)を利用し、マイクロサービス間の安全性を確保。
4. 証明書管理の標準化
- ワイルドカード証明書やSAN証明書を適材適所で使い分け。
- 証明書の発行、ローテーション、失効管理のフローを整備。
5. セキュリティモニタリング
- SSL Labs、Qualysなどで定期的に診断。
- アラートやダッシュボードで有効期限や脆弱性を監視。
6. トレーニングと文化醸成
- 開発者、運用担当、セキュリティ担当がSSLの重要性を理解する研修を実施。
- コードレビューや設計段階でのセキュリティ考慮を習慣化。
実例紹介
- A社:自動化された証明書更新により、手作業の負担を50%削減。
- B社:サービスメッシュの導入でマイクロサービス間通信を完全SSL化。
- C社:CI/CD内の証明書監視により、有効期限切れゼロを達成。
まとめ
DevSecOps移行は単なるツール導入ではなく、開発・運用・セキュリティの連携強化が鍵です。SSL証明書を基盤に据えることで、技術面と文化面の両方から安全性を高めましょう。


















