Webサイトのセキュリティを高めるためには、SSL証明書とWAF(Webアプリケーションファイアウォール)の連携が不可欠です。この記事では、初心者向けにSSL証明書とWAFの役割、そして両者を組み合わせて使う際のポイントをわかりやすく解説します。
SSL証明書とWAFの役割
- SSL証明書:通信を暗号化し、第三者による盗聴や改ざんを防止。
- WAF:Webアプリケーションへの攻撃(SQLインジェクション、XSSなど)を検知・防御します。
SSLは「通信経路」の保護、WAFは「Webアプリケーション自体」の防御という異なる役割を担っています。
連携が必要な理由
SSLで暗号化された通信は、WAFが内容を確認できない状態(暗号化されたまま)になります。そのため、**SSL終端(SSLオフロード)**をWAF側で行う設定が重要です。これにより、WAFが暗号化解除後のリクエスト内容を解析できるようになります。
実践ステップ
1. SSL証明書の準備
まずは通常通り、Webサーバー用にSSL証明書を取得してインストールします。
2. WAF側にSSL証明書を設定
WAFがリバースプロキシとして動作する場合、同じSSL証明書をWAFにも設定します。これにより、WAFがSSL通信を復号して内容を解析できます。
3. SSL終端の構成
- パターン1:WAFでSSL終端
- WAFがSSLを終端して、復号済みのリクエストをWebサーバーへ転送。
- パターン2:WAFとWebサーバー間もSSL化
- WAFが終端後、再度SSLを適用してWebサーバーに送る(エンドツーエンド暗号化)。
4. 設定確認
SSL LabsやWAFのログを使って、正常に通信が保護されているか確認します。
導入時のポイント
- 証明書管理:WAF側とWebサーバー側の両方で有効期限を管理し、更新漏れに注意。
- WAFの種類:クラウド型WAF(Cloudflareなど)か、オンプレ型(ModSecurityなど)かで設定方法が異なります。
- パフォーマンス:SSL終端はCPU負荷が高まるため、WAFの性能も確認が必要です。
実例紹介
- A社:クラウドWAFでSSL終端を導入し、攻撃検知率が大幅向上。
- B社:オンプレ型WAFにSSLオフロードを設定し、月間数百件の攻撃を防御。
まとめ
SSL証明書とWAFは、Webセキュリティの両輪です。SSLで通信の安全を守り、WAFでアプリケーションを守る。この二つを連携させることで、総合的なセキュリティ対策が実現します。設定のポイントを押さえて、強固なセキュリティ環境を構築しましょう。


















