はじめに
Webサイトの高速化が求められる中、HTTP/2やHTTP/3(QUIC)は欠かせない技術です。これらの次世代プロトコルはSSL/TLSを前提としており、SSL証明書の役割もますます重要になっています。この記事では、SSL証明書とHTTP/2/HTTP/3の関係、設定方法を初心者向けに解説します。
HTTP/2とは?
HTTP/2は、従来のHTTP/1.1の課題を解決するために開発されたプロトコルです。
特徴
- マルチプレックス通信(1つの接続で複数のリクエスト)
- ヘッダー圧縮
- サーバープッシュ機能
ポイント:HTTP/2はSSL/TLS(HTTPS)経由で提供することが推奨されています。
HTTP/3(QUIC)とは?
HTTP/3は、Googleが開発したQUICという新しいトランスポートプロトコルを使っています。
特徴
- UDPベース
- 0-RTT接続(接続確立が高速)
- パケット損失時の回復が早い
HTTP/3もHTTPSが必須であり、SSL証明書は前提条件です。
SSL証明書と相性の理由
- 必須の暗号化:HTTP/2/3ともに暗号化通信が基本。
- パフォーマンス向上:SSLセッションの再利用やTLS 1.3の併用で高速化が期待できます。
- 信頼性アップ:SSL証明書で認証されたサイトは、HTTP/2/3の導入でさらにユーザー体験が向上。
実装方法(Nginx例)
HTTP/2有効化
server {
listen 443 ssl http2;
ssl_certificate /etc/ssl/certs/example.crt;
ssl_certificate_key /etc/ssl/private/example.key;
}
HTTP/3有効化(Nginx + QUIC対応版)
server {
listen 443 ssl http2;
listen 443 quic reuseport;
ssl_certificate /etc/ssl/certs/example.crt;
ssl_certificate_key /etc/ssl/private/example.key;
# QUIC用設定
ssl_protocols TLSv1.3;
add_header Alt-Svc 'h3=":443"; ma=86400';
}
注意点
- TLS 1.2/1.3必須:HTTP/3ではTLS 1.3のみ対応。
- 証明書の互換性:ワイルドカードやSAN証明書も問題なく使えます。
- ブラウザ対応:主要ブラウザはHTTP/2/3に対応済み。
追加の高速化ポイント
- OCSP Staplingの活用
- HSTS(Strict-Transport-Security)設定
- キャッシュ最適化
まとめ
SSL証明書はHTTP/2・HTTP/3の土台として重要な役割を果たしています。これらのプロトコルを導入することで、パフォーマンスとセキュリティの両立が実現できます。自社サイトでも、ぜひ対応を検討しましょう。

















