はじめに
テレワークやオンライン会議の普及で、**WebRTC(Web Real-Time Communication)**が急速に広まりました。WebRTCは、ブラウザ間で直接音声・ビデオ通話を行うための技術です。便利な一方で、セキュリティが確保されていなければ、盗聴やなりすましのリスクが発生します。この記事では、SSL証明書を活用してWebRTC通信の安全性を高める方法を初心者向けに解説します。
WebRTCとは?
WebRTCは、プラグイン不要で音声・ビデオ通話、データ通信ができる技術です。例えば、
- ZoomやGoogle Meetのようなオンライン会議
- ビデオチャットアプリ
- リアルタイムファイル共有
なぜSSL証明書が必要か?
WebRTCは、セキュリティ強化のためHTTPS環境が必須です。ブラウザもSSL/TLSで保護された接続(WSS、HTTPS)でなければWebRTC機能をブロックします。
3つの役割
- 通信暗号化:音声・ビデオ・データが暗号化される。
- 認証:サーバーが本物であることを証明。
- 改ざん防止:通信内容が途中で書き換えられないようにする。
サーバー側の設定方法
1. SSL証明書を取得
- ドメインに対応する証明書を用意(Let’s EncryptなどもOK)。
2. シグナリングサーバーのSSL設定
例:Node.js + Socket.io + HTTPS
const fs = require('fs');
const https = require('https');
const app = require('express')();
const server = https.createServer({
key: fs.readFileSync('privkey.pem'),
cert: fs.readFileSync('cert.pem')
}, app);
const io = require('socket.io')(server);
server.listen(443, () => {
console.log('Secure server running on port 443');
});
3. STUN/TURNサーバーのSSL対応
TURNサーバー(例:coturn)は、SSLポート(5349)を有効にして、証明書を設定します。
# coturnの設定例
tls-listening-port=5349
tls-cert=/etc/ssl/certs/cert.pem
tls-private-key=/etc/ssl/private/privkey.pem
クライアント側のポイント
- HTTPSサイトでWebRTC機能を呼び出す。
- **WSS(WebSocket Secure)**を使ってシグナリングサーバーと通信。
例(JavaScript)
const socket = io('wss://yourdomain.com');
証明書ピンニングの活用
さらにセキュリティを強化したい場合、証明書ピンニングを導入するのも有効です。これにより、中間者攻撃(MITM)を防ぐことができます。
よくあるトラブルと対策
- SSL証明書エラー:中間証明書の設定忘れが多いので確認。
- Mixed Content警告:HTTPSページ内でHTTPリソースを読み込まないように注意。
- WebRTC接続が失敗する:SSL/TLSが正しく設定されているか、STUN/TURNサーバーのSSL対応も確認。
まとめ
WebRTCは、オンライン会議やビデオ通話にとって欠かせない技術ですが、SSL証明書を活用して初めて安全に利用できます。シグナリングやメディア通信すべてを暗号化し、安心して使える環境を構築しましょう。
GetSSL.PROでは、WebRTCに最適なSSL証明書や導入支援も行っています。お困りの際はぜひご相談ください。

















